趙五娘は、もともと元代の戯曲『琵琶記』に登場する女性です。撰者は高明・字則誠だと言われています。
長年人気を博した戯曲から、京劇の演目として上演されるようになります。

物語の中で、趙五娘は蔡邕(サイヨウ)の妻となっています。蔡ヨウとは、有名な蔡文姫の父親です。
彼女の出身は陳留郡であり、蔡邕親子と同郷の人です。
話は趙五娘と蔡邕が結婚したばかりの時期から始まります。
蔡邕が近所の人から都仕えを勧められ、仕官のために一人で都へ行きます。
夫と離れ離れになった後の趙五娘の苦労話が物語の主軸です。
趙五娘はまさに糟糠の妻というべき賢女となっており、実在であれば必ず列女伝に載るような活躍ぶりです。

この物語では明記されていませんが、後に蔡文姫の母親となることを想定しているのかもしれません。
京劇『蔡文姫』の原案者である郭沫若は、趙五娘が蔡文姫の母であることをほのめかす設定を盛り込んでいます。

物語の詳細は後日紹介します。


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11/9/29re
10/11/18up

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