呉国太は演義の架空人物です。
しかし、その自然な存在感から実在したと思われがちのようです。
実在を否定する根拠を一つ紹介します。
呉后とその妹は演義の第七回に名前が登場します。
孫堅の子供紹介時が初出です。結婚の経緯は省かれた模様です。
蜀を主眼とする物語であることとは別に、自然な事態です。
このくだりを書いていたら孫堅が呉国太を娶るなんて無茶苦茶な展開ですからね。

簡単な話です。
正史上での孫堅と呉后の結婚は、周囲から反対されていました。
呉后の親戚が孫堅の申し出を拒んだのです。
理由は孫堅に悪評判が立っていたからです。曹操もメではない言われ様です。
求婚した側の孫堅は不満も不満です。
それを知ってか、呉后は親戚にいらぬ災いが起きないよう孫堅の求婚を承諾しました。
そういう話が呉志に載っています。孫堅は厄介者扱いです。
呉后自身「結婚して不幸な目にあっても、それが自分の宿命」と言っています。
孫堅と結婚して良いことなぞ無いと思っていたも同然な発言です。
そんな男に対し、姉妹一緒に結婚させる事態はありえないでしょう。
孫堅以外の人は誰も喜ばない縁談でした。
孫堅は呉后だけを欲しがったのです。その妹まで嫁に出す義理はありません。
演義だけを読んでいてはわからない矛盾点ですね。

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11/12/24up

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