二喬は、橋公の二人の娘です。
一般的に姉を大喬、妹を小喬と表記しますが、正史では大橋、小橋です。
以後それぞれを大橋、小橋と呼び、まとめて言う時は橋姉妹 と呼びます。

彼女たちの記述は呉書・周瑜伝にあります。
孫策が荊州奪取計画を立てると、周瑜を伴い皖（かん）を攻め落としました。
この時、橋公の二人の娘を捕虜にします。
二人は絶世の美人であったと記録されています。
孫策は姉の大橋、周瑜は妹の小橋を妻としました。
その後、孫策たちは劉勲を討伐していきます。
陳寿の記述はこれだけです。
裴注の『江表伝』には、橋姉妹をめとった後の孫策の言葉が書き残されてます。
孫策は私的な場で、周瑜にふざけてこう言いました。
「橋公の娘は美人であるとはいえ、我ら二人を夫にしたのだから喜ぶべきことだろう。」

これらの記述からわかることは、橋姉妹は美人だったということです。
何を根拠に大変な美人だったと評価されたのか不明です。
記述にはありませんが、おそらく国一番の美女との評判が立っていたのでしょう。
それは趙雲との縁談があった樊氏、袁術の妻の馮氏も同じことです。
彼女らと同じ土台でありながら、橋姉妹は群を抜いて有名です。
その要因は、ひとえに夫が有名武将であること、また演義での脚色が華々しいものであったことが決め手でしょう。