姜母は、姜叙の母です。楊阜のおばでもあります。
姜叙と楊阜は共に涼州刺史・韋康に仕え、馬超討伐に参加しました。
姜母はその馬超討伐の開戦を促した女性です。
陳寿の記述では以下の事が書かれています。

馬超が韋康を殺害して冀城を乗っ取った後、楊阜は馬超に復讐したいと思いましたが、出来ずにいました。
妻の葬儀を口実に休暇を取り、歴城に行って姜叙とその母に会います。
楊阜は涙ながらに冀城で起きた事を二人に話し、それを聞いた姜母は姜叙に楊阜を手助けする事を命じました。
馬超討伐計画が実行されると、冀城から追い出された馬超は姜母のいる歴城を襲います。
馬超に捕えられた姜母は、馬超を真っ向から罵倒します。
「お前は父に背いた親不孝者のうえ、主君(韋康)を殺した逆賊だ。天も地もどうしてお前を許すことがあろうか。
 自分の罪を恥じて死にもせず、よく平気で人に顔向けできるものだ。」
姜母の言葉を聞いた馬超は腹を立て、姜母を殺しました。
のちに馬超が漢中に逃げ、曹操が楊阜たちの馬超討伐の功績を称えます。
称賛の言葉の中、姜母について曹操はこう述べました。
「姜叙の母は姜叙に早く行動するよう促し、明知はあのようであった。
 (前漢時代の賢婦)楊敞の妻でもこれ以上優れてはいまい。
 賢なるかな、立派な史家がこれを記録し、決して人々に忘れ去られることがないだろう。」

姜母は王異以上の猛女ぶりを発揮した女性です。そして、演義では馬超への罵言の内容が省かれています。
王異同様、蜀賛美の割を食わされた人物でしょう。
曹操側の人であるため、致し方のないことです。曹操に褒められたとあっては、尚更でしょう。

裴注では本伝以上に詳細が書かれていますが、それは別の項目にて紹介します。

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