趙娥の容姿に関する記述はありません。
ですが、彼女の「娥」に着目すると、ほんの少しわかるかもしれません。
かなり強引かもしれませんが、それでも良い方はお読みください。
まず、趙娥は彼女の姓+字です。
これは後漢書の列女伝に記載されています。
娥は名ではないようです。
つまり、この「娥」は趙娥自身を表す漢字だったのかもしれないのです。
字は名と関連させて決めることが多いですが、その人の素行から決めることもあります。
例えば曹丕の二番目の正室・郭皇后です。
彼女は幼少時、親から「女の中の王様だ」と評価され、女王と字されています。
これは子供の時だけ使う小字と呼ばれる名前かもしれませんが、字に違いはありません。
もし趙娥も彼女自身について表現した字を名づけられたなら、「娥」の持つ意味がそのまま趙娥本人を指すことになります。
娥は訓読すると「みめよい」となり、意味は言葉通り「美しい」ということになります。
美人を指す漢字です。
中国では女性の名によく使われるので、特に珍しい漢字ではありません。
ですが、これが字となると意味合いが少々変わってきます。
前述のとおり、字はその人本人を表す漢字を用いる場合があるのです。

それらを考えると、美人だったのではないかと思います。
もちろん、名との関連から付けられた字である可能性はあります。
ただ、醜女であった場合に付けはしない字だとも思います。
少なくとも並み以上の容姿だったのではないかと推測されます。
もっとも、趙娥が美人だからといって何も彼女の功績に関係しませんが…
どのサイトか忘れましたが、通称である龐娥を翻訳すると「顔が美しい」と出た覚えがあります。
直球ですね。龐(ホウ)には顔という意味もあるだけのことですけれど、小ネタとして残しておきます。

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10/12/8up

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