穆后の容姿に関する記録は一つだけあります。
それは彼女が人相をよく見る者に「高貴になる相だ」と評価されたことです。
女性が就ける最大の高貴な身分とは、皇后です。
実際に穆后は劉備の皇后となりました。正式な劉備の皇后は穆后ただ一人だけです。
人相見は穆后が皇后になると言ったつもりはないかもしれませんが、高貴＝皇后の前提で述べます。
皇后になる女性は他にはない様々な武器があります。
以下が筆者の考える皇后になるための条件です。

�@親族の権力・コネが強い（曹后、賈南風など）
�A才知が認められるor知略でのし上がる（郭后など）
�B際立った美貌を持つ（何后など）

一番多いのは�@です。大概は良家の娘さんが皇后になる率が高いですし、世間体も良いです。
しかし穆后は早くに親を亡くしており、人相見もそのことを知っていた事でしょう。
�Aはあまり一般的ではない気がします。このケースはかなり女性が強くてインパクトもありますが、稀です。
穆后はその賢さが記録されていませんので、そんなに優れた才女ではなかったのでしょう。
残った�Bは割とある話ですが、穆后には美人だという記述がありません。
しかし記述がなくとも美人であった可能性は高いと思われます。
歴史上、醜女の皇后より美女の皇后が確実に多いのです。どっちつかずが一番多い気もしますが。
例え穆后が高貴になる相をしていても、醜女であった時に人相見は誤りじゃないかと疑いかねません。
穆后は家柄が良いわけでも親の権力が強いわけでもありませんから、高貴になれる要素がありません。
あるとしたら霊帝の何后のように、下賤な身分でも成り上がる事のできる美貌です。
穆后が美人だったなら、人相見は安心して「この子は将来高貴になる」と言えたと考えられます。
皇后になれずとも、美人なら良い所に嫁げる人も結構いますからね。
以上により、穆后は美人である可能性があったとします。

何気に蜀の女性では美人と思しき人が珍しいです。きちんと記録があるのは胡氏ぐらいなものです。
他にも容姿を考察していく女性はいますが、おそらく穆后以外は美人の可能性があると言う機会がないでしょう。