樊氏
趙雲は江南平定につき従い、偏将軍に任ぜられた。桂陽太守を兼務し、趙範と交替した。趙範の兄嫁は寡婦で樊氏といい、国一番の美人だった。趙範は彼女を趙雲に縁談を持ちかけた。趙雲は辞退してしこう言った。「私はあなたと同姓です。あなたの兄さんは私の兄と同じことになります」と。当時、趙雲に彼女を娶るよう勧めるものがあったが、趙雲は「趙範は窮地に追いやられて降伏したにすぎません。本心は測りかねます。天下に女は大勢いるのだから」といい、こうして結婚しなかった。趙範はやはり逃亡したが、趙雲はなんの未練も持たなかった。

【巻36・趙雲伝裴注『趙雲別伝』】



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